講座レポート Feed

2009年9月 7日 (月)

Theあしかが学Ⅳ―新たなる発見をもとめて―講座レポート第8回

8月29日(土)午後2時から、8回目のTheあしかが学が開催されましたnote今回は「魅力的なまちづくりのため」―にぎわいのまち意見交換会―を行いましたhappy01

flagコーディネーター:足利工業大学副学長 蟹江好弘先生

oneパネリスト:足利市商業観光課観光担当 須長敏明さん

        (観光行政、特に観光PR、観光協会支援事業など)

twoパネリスト:足利商工会議所 富永三知男さん

        (地域を代表する唯一の総合経済団体、商工業の発展に寄与することを

         目的とし、様々な事業を展開)

threeパネリスト:NPO法人VAN-NOOGA 北川公朗さん

        (足利市の顔、中心市街地活性化を目的としたボランティア団体)

fourパネリスト:足利再生プロジェクトASP 福田茂夫さん

        (足利市を良くするために有志が結成。生活路線バスへの

         提案や、論語の素読普及にもつとめる)

fiveパネリスト:NPO法人フォーラム21 清水辰二さん

        (足利市活性化のための提言や、不動産有効活用の無料相談会などを実施)

初めに蟹江先生の基調講演がありflair

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次に各団体がどのような取り組みを行っているか説明がありcute

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最後に意見交換をしましたsun

論語の素読も体験できましたhappy02

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この意見交換会が「魅力的なまち足利」への一歩となることを願いますclover

2009年9月 4日 (金)

Theあしかが学Ⅳ―新たなる発見をもとめて―講座レポート第7回

8月20日(木)、Theあしかが学第7回目の講座が開催されましたclover今回は「足利のかつやく人」である富田カルチャーネットの古橋昌幸(ふるはしまさゆき)先生と山本武雄(やまもとたけお)先生を講師にお迎えしましたshineshine

テーマ:地域素材を活かしたまちづくり

「富田カルチャーネット」は富田地区の文化に関係する団体の共同体です。ミュージアムコンサート実行委員会・とみたのかるた実行委員会・ミュージカル富田実行委員会・各協力員の方々がゆるやかなネットワークを組んで活動しています。

山本先生は、この活動のきっかけを次のように話されました。山本先生が育成会やPTAの役員になったとき、地域の様々な問題に気がついたそうです。例えば、富田の住民が富田についてあまり知らなかったり、お年寄りと子ども達に接点がなくお互いを知らなかったり、家庭で落ち着いて団欒を楽しむ時間がなかったりするわけです。そのような状況にあって先生は、昔の地域のつながりに近づける工夫、文化財や伝統などを伝える工夫、家族のコミュニケーションの工夫を考えたのです。

そこで出てきたアイディアが「とみたのかるた」です。おとなり群馬県の「上毛かるた」を参考に、文化の継承・親子や地域や三世代の交流・遊びながら誰でもできる富田地区限定のオリジナルかるたの制作を目指しました。富田地区にある22の文化財をかるたに盛り込み、7町内に均等に絵札の内容を割り当て44枚の絵札を作り、各町内にある文化財の絵札はその町内の子どもが描き、外箱のデザインは当時の富田小学校図工科主任の先生に依頼しました。そうして地域と家庭と学校の協力によって手作りかるたが出来上がったのです。また実行委員会は、かるたを作ってそれで終わりではなく、活動を継続させるために、かるた競技大会を行ったり、「かるたに取り上げられた場所巡り」なども企画しているのだそうです。

続いて古橋先生がミュージアムコンサートについて説明されました。これは夜の栗田美術館(陶磁会館2階)で行われるコンサートです。子ども達に音楽との出合いの場を提供したい、地元の人達にもっと文化を知ってほしい、親子で共通の時間を持ってほしい、足利三名所の一つ「栗田美術館」をもっと利用したい、出演者が未完成でも発表できる場所がほしい、といった数々の願いから企画されました。そして当初は年4回、現在では年2回のペースで、入場無料のコンサートが開催されています。コンサートに来るお客さんは、コンサートを通して家族の会話が増え、より地域に目を向けるようになったそうです。

このように富田カルチャーネットは、富田地区の地域素材を活かしたまちづくりに大きく貢献しています。かるたを活用して地域の特色を知り、あせらずゆるかなネットワークを保つ組織を作り、新たな企画による活動の継続を図る、そのようにして一歩ずつ着実にまちづくりを進めているのです。

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2009年8月18日 (火)

Theあしかが学―新たなる発見をもとめてⅣ―講座レポート第6回

8月6日(木)、Theあしかが学第6回目の講座が開催されましたflair今回は(有)東武トラベルシステム取締役・売野安和先生と足利市役所商業観光課職員・須長敏明さんを講師にお迎えしましたhappy01以下にお二人のお話をまとめてみますpencil

テーマ:足利のかつやく人1―ひよこバス・ぐるワンバスを走らせて―

足利の観光事業の一つに「ひよこバス」「ぐるワンバス」というものがあります。このユニークな名前の事業の始まりは平成18年に遡ります。この年の11月、市役所職員の有志が集って「政策チャレンジチーム」が発足しました。そしてメンバーは「観光客のまちなか回遊策について」という課題に取り組んだのです。そのときに打ち出されたのが、足利学校+αの魅力を訪ねるガイド付きミニバスツアー「ひよこバス」と市内の観光スポットを巡回する「ぐるワンバス」のアイディアでした。

翌年5月、「ひよこバス」と「ぐるワンバス」は実験運行されました。そして実験結果をから、「ひよこバス」は参加者の満足度が高く、ツアーとしての広がりが期待できるため、ある程度採算が見込まれることから、民間(営業)ベースで実施できそうなこと、一方「ぐるワンバス」は観光客の滞留・回遊に大きな効果をもたらす反面、運行経費がかかるため、行政が観光施策として実施するのがよさそうである、という考察がされました。

そのような考察を踏まえて、同年10月~11月にもう一度バスを走らせました。このときの「ひよこバス」は、東武トラベルシステムさんが主体となって実施したのです。行道山、ココファームワイナリー、草雲美術館、織姫神社、足利学校、鑁阿寺をめぐる「足利新発見の旅ひよこバスツアー」は有料にもかかわらず市内外から多くの方にご参加いただきました。さらに「ひよこ」にちなんで日清食品さんから「チキンラーメンとそのグッズ」を提供していただけるという、うれしいご協力もありました。「ぐるワンバス」については、11月に開催される「足利学校さままつり」と「文化財一斉公開」に合わせて運行し、こちらもお客様のまちなか回遊に大きな成果をもたらすことができました。ちなみに、両バスには市職員のバスガイドがつき、ガイドを務めた職員は、足利観光の基礎知識やおもてなしの心を学ばせていただきました。

こうして事業として形になった「ひよこバス」と「ぐるワンバス」は平成20年からは本格的に運行されるようになったのです。これまでに実施された「ひよこバスツアー」の内容には、七福神めぐり・足利学校と足利氏の遺産を訪ねる・大藤まつりとまちなか散策・満開の紫陽花と自然の神秘!蛍鑑賞などがあります。また、9月には足利薪能に合わせたツアーも予定されています。もちろん「ぐるワンバス」も「足利の文化財一斉公開2009」に合わせて運行される予定です。

「ひよこバスツアー」の立案をなさっている売野先生は、足利市の観光資源が他市と比べても優れていることをお話してくださいました。地元の人にとってはあたり前のことがお客様にとっては真新しい発見になることが多々あります。自分たちの固定観念を捨てて、お客様の立場に立って物事を考えてみるおもてなしの心と、「足利ってこんなにいいところだよ」という地元民である私たちの意識が、今後の足利を観光面で盛り立てていくのではないでしょうか。

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2009年8月11日 (火)

Theあしかが学―新たなる発見をもとめてⅣ―講座レポート第5回

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7月23日(木)、Theあしかが学4回目の講座が開かれましたshineshine講師は足利仏教和合(わごう)会会長・西宮長林寺住職の白金昭文先生でしたconfident

テーマ:足利の精神性を探る―洗心のススメ

足利市は県内随一の寺社数をほこるまちです。また、市内に存在する高等教育機関である足利工業大学や足利短期大学の母体は足利仏教和合会です。さらに、足利の偉大な書家・相田みつをさんの作品には仏教の精神性が色濃く反映されています。

先生によれば、1439年に上杉憲実が足利学校に五経を寄進したこと、1448年に西宮長林寺の前身である長雲寺に大見禅龍(だいけんぜんりゅう)が招かれてきたこと、これらが足利における仏教精神を盛り立てる根本的な原因の一つになったそうです。そうしたことから先生は、「足利の精神性」を仏教、中でも「禅の世界」という切り口からお話してくださいました。

「禅」といえば有名なのが曹洞宗の開祖・道元ですが、彼が詠んだ歌に次のようなものがあります。「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」道元はほかにも数々の歌を詠んでいますが、それらには一貫した趣意が込められています。それは「前ばかり向いて歩かずに、ときには立ち止まり後ずさりして、自然と同化し、仲良く自然と語り合う気持ちのゆとりをもちなさい。そうすれば、身も心も楽になり、自然のもつ本来の美しさや深みが見えてきますよ。」というものです。

次に「長林寺開山・大見禅龍(だいけんぜんりゅう)」。その道の方でなければ知らないような名前ですが、この方も禅師としてのたくさんの言動が記録されています。その中に、次のようなエピソードがあります。大見禅龍は修業で先生の説示を聞いていました。先生は「仏さまはどこにいらっしゃるか」という問いに対する自分の考えを語りました。「青葉の薫りを吹き送る風が南から来る季節になった。そのお陰で今堂内は涼やかですがすがしい。そして仏さまはここにいらっしゃる、と私は考える。」大見禅龍はこれを聞いて真理を悟ったとのことです。

このように、「禅の世界」では「自然を感じる感覚」を大事にするようです。この場合の「自然」は、海や川や山や動植物などを表す「自然」と、飾らない・ありのままのという意味の「自然」と、両方の意味を含んでいると思います。足利には前者の「自然」がたくさんあります。それらをありのままに感じて味わってみる、そうすると心が洗われ、「足利の精神性」が磨かれるのかもしれません。

2009年7月23日 (木)

Theあしかが学―新たなる発見をもとめてⅣ―講座レポート第4回

7月16日(木)、あしかが学の第4回目の講座が開催されましたnote講師はJTB関東足利支店セールスマネージャーの横塚豊先生ですeyeglassお話の最初に先生は自己紹介をされ、それから受講生の方々に質問をしたり答えを聞いたりしながら、参加型の講座で進めてくださいましたhappy01

テーマ:足利の魅力再発見~ふとした風景を感動にかえるために~

先生の最初の質問は「京都市の年間観光客入り込み人数はどれくらいでしょうか?」答えは3,800万人。足利市の姉妹都市である鎌倉市は?2,000万人。今人気の川越市は?600万人。ではわが街足利市は?答えは300万人です。ただ、足利の名所旧跡の価値を考えると、年間300万人の観光客入り込み人数は少ないと言えます。

ではどうすれば足利市にもっとたくさんのお客様を呼べるのでしょうか。「まずは自分たちの思いつくままに足利の好きな場所を挙げてみるのはいかがでしょう?」するとたくさんの答えが出されました。行道山から織姫神社へ続くハイキングコース、これは先生のおすすめ。他にも誰でも知っているような場所では足利学校、大日様、フラワーパーク、栗田美術館、織姫神社。おすすめの景色として、渡良瀬川から見る夕日、足利花火大会、名草・松田の蛍、渡良瀬の遊歩道から見る赤城山、しだれ桜の小径。ちょっと玄人な名所旧跡である法楽寺、柳原用水散策コース、厳島神社、吉祥寺(あじさい寺)、日光山神社、石尊山、鶏足寺。

「次に人間は旅先で何に感動するのか考えてみませんか?」これが今日の一つの大きなポイントになるようです。例えば人と人との出会い、大自然、先人の英知、うまいもん、草花、体験。旅先で感動を経験できる、そんな観光地には黙っていても人が集まるのだそうです。足利市には「大」自然はないかもしれません。でもそれに匹敵する渡良瀬の夕日があるので問題はないのです。

ここまで、足利の魅力を確認し、旅先で感動する要素を考えてきました。「最後にその二つを考慮してどうすれば足利市にもっとお客様を呼べるのか、そのアイディアを思いつくままに挙げてみませんか?」するとここでも建設的なご意見が出されました。藤の時期にフラワーパークを訪れるお客様を市内へ呼び込んで、「足利まつり(仮称)」なる参加・体験型のイベントでおもてなしできないか。足利にかかる橋を七色に染めて美しい景観を創り出せないか。せっかく掘った松田の温泉を活用できないか。八木節発祥の地をもっと強調してお祭りをできないか。また先生もたくさんの提案をされました。「ロケ地の街あしかが」を売りにする、桐生から藤岡までの渡良瀬川のサイクリングロードを両岸整備、ハイキングシャトルバスの運行、駅前に無料のレンタサイクルを設ける、石畳の端に平らな部分を設けて車椅子でも安心して散策できるようにする、お客様に「こんにちは」と挨拶ができる街にする、週に1回自宅のまわりを掃除して「きれいな街あしかが」、打ち水をしてみる、子どもを公園や大日様で遊ばせて「子どもたちの笑い声があふれる街あしかが」。さらにお聞きして「なるほど確かにそうだ」と感じたのが、観光のモデルコースをつくることです。ほぼどの観光地にも「モデルコース」があるものです。初めていらしたお客様は地図だけあっても、どこへ行けばいいか、どのくらいで着くのか、おいしい食事のできるお店はどこか、きっとわかりません。そこへ「足利ハイライトコース・じっくり散策コース・自転車コース」など目的や観光時間を考慮したモデルコース提示することで、お客様により親切な観光地となるのです。

このように、今回の講座ではテーマどおり足利の魅力を再発見し、さらに「観光地あしかが」を促進させるためのアイディアボックスができました。一つずつでもゆっくりでも、これらのアイディアを実現させていきたいと強く強く感じました。

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2009年7月13日 (月)

Theあしかが学―新たなる発見をもとめてⅣ―講座レポート第3回

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7月1日(水)、生涯学習センター101号室において、「Theあしかが学~新たなる発見をもとめてⅣ~」の第3回目の講義が開催されましたeyeglass講師は樹木医、環境緑花コンサルタント、あしかがフラワーパーク園長の塚本こなみ先生ですshineshine講演のテーマは「プロフェッショナル仕事の流儀 ―私とあしかがフラワーパーク―」でしたが、先生は「藤の移植のお話は何度もしているから、自分のこれまでの人生を振り返って今感じていることをお話しします」とおっしゃって、とても心に響くお話しをしてくださいましたheart04

先生の仕事や物事に関する基本的な考え方は『やってみなきゃわからない、できないと思った時に本当にできなくなる、だからあきらめないでできるまで考える、可能性が少しでもあるうちはギブアップしない』です。たとえ難しい移植の仕事でも、やり方を変えて、工夫をして、その木に何度も会いに行って「あなたはどうすれば動いてくれるの?」と問い続けます。それらの仕事が無理難題なほど闘志がわくのだそうです。

先生はその一方で、『大切なものは名誉や肩書きではない、テレビ出演も本の出版ももういい、できれば静かにお百姓さんをしたい』と最近は考えていらっしゃいます。あしかがフラワーパークの大藤の移植以外にも、先生は大きな樹木の移植をなさっていますが、以前はそれらの仕事に対して「私がやったんだ」という自負心が大きかったそうです。しかし最近は、実はそうではなくて『この木が動いてくれた、私はこの木を動かすお手伝いをしたんだ、私は木に問いかけて、木から学び、そして今があるだけ』という気持ちのほうがはるかに大きいということです。

先生がそう考えるようになった大きなきっかけの一つが、55歳の時の入院です。働きすぎで倒れて入院なさったわけですが、その入院生活がとても楽しく、大事なことに気付く時間にもなったそうです。例えば先生は、ベッドから窓の外を眺めていたら、カラスが毎日同じ時間に山から飛び立ち同じ時間にねぐらへ帰ってくること、雲の形が刻々と変化して最後には消えてしまったりすることを知りました。空の青さや一輪のチューリップを飽きもせず愛でて楽しんだりもしました。そしてその小さな楽しみに感謝して『これが生かされているということなんだ』と気づき、『心豊かに生きたい、感謝のできる人生を送りたい』と感じたそうです。小さなことに感謝できる自分がそこにある、それは心豊かに生きている証、幸せに生きている証なのです。

また先生はこうも考えたそうです。『私たちは、人間が生きていく上で一番大事なものを忘れているかもしれない、自分が地球だったら今の人間を排除しようとするかもしれない』と。

そのような気持ちになってから先生は『これから自分に何ができるのか』と問いかけました。そして、木のことはある程度わかるしできるから、ならばその知識と経験を活かして農業をやろうと決めました。具体的には、藤や糖度約18%の生食用のキンカン、その他様々な野菜を完全無農薬・化学肥料なしで育てているそうです。さらに、先生の農園はセラピー農園です。それは、引きこもりになりがちな大人達が、登校拒否になりつつある子ども達が、植物を通して人間性を取り戻すことができるようにとの願いが込められているのです。

あきらめないこと、小さな可能性を活かすこと、ただそれで成功したからといって慢心しないこと、いつでも生かされていることに感謝して心豊かに生きること…先生のお話には大切なメッセージが散りばめられていたと思いますcloverそれらを自分なりに受け取って、自身の生き方に反映させていけるといいのではないでしょうかbud

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2009年6月29日 (月)

Theあしかが学―新たなる発見をもとめてⅣ―講座レポート第2回

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6月9日(火)、あしかが学第2回目の講座が、足利商工会議所友愛会館4階のわたらせホールで行われましたbuilding今回の講師は足利商工会議所・専務理事の高橋政美先生で、先生は商工会議所とはどういう場所か紹介するため、「百聞は一見に如かず」の精神で受講生を友愛会館へ招待してくださいましたnotes

テーマ:あしズバ!「人間回復・歩けるまちづくり」

問題提起:足利商工会議所とは?そして商工会議所の目指すまちづくりとは?

●足利商工会議所の理念と歩み

「商工会議所」とは商工業の振興を目的として組織、運営されている地域総合経済団体です。足利商工会議所は昭和15年10月15日に設立されました。太平洋戦争中に一度事実上消滅しましたが、終戦後直ちに再出発、現在に至っています。

足利商工会議所は、旧織姫公民館、有楽町と中心的な事務所を移しました。そして「商工会議所自らが投資し、リスクを負い、中心街に飛び込み地域と連携して事業を展開すべし」という理念と提言により、通3丁目の旧足銀本店の建物を「足利商工会議所友愛会館」としてリニューアルさせ、平成18年2月7日より事務所を置いて足利市中心街活性化の拠点としています。

●足利商工会議所の目指すまちづくり① 歩けるまち

足利商工会議所友愛会館には、「足利まち歩きミュージアム」があります。ミュージアムの規模は大きくはありませんが、足銀時代の建物の独特な雰囲気を残す素敵な空間となっています。

このミュージアムは、歴史、文化、美しい自然に恵まれた足利の「まちじゅう博物館」のエントランスホールとして、足利の人、歴史、観光、企業とまちの成り立ちを紹介しています。そして足利商工会議所では、この「足利まち歩きミュージアム」を足利散策の出発点と位置づけているのです。

ここで一通り「足利」について概観してからまち歩きに出発する、そして実際に「足利」を目で耳で舌で身体全体で味わい、程よく疲れたらまたミュージアムに戻る、そうすればミュージアムにはケーキとコーヒーを楽しめる喫茶店やクレープのお店が待っています。足利グッズをそろえられる小さな売店もあり、足利の思い出を持ち帰ることもできます。

「足利まち歩きミュージアム」で幕を開け「足利まち歩きミュージアム」で締めくくる「歩けるまち足利」、それが足利商工会議所の目指すまちづくりの一つです。

●足利商工会議所の目指すまちづくり② おもてなしのまち

平成19年から足利商工会議所は「足利ふるさと検定」を始めました。この検定には、個人のためにもまちのためにも役立つようにとの願いが込められています。

個人にとってこの検定は、多分野にわたり足利の知識の深さを認定するものなので、これをきっかけに足利の文化や観光に対する意識を高揚させることにつながります。そして、広く多くの人が足利の歴史や文化・自然・伝統行事などの観光資源を再認識することとなるのです。また、子どもたちにとっては自分のまちに誇りをもてるような足利の素晴らしさを知るチャンスとなるでしょう。

さらに、この検定によって素敵な足利を再発見した方々が、身近な観光案内人として足利の魅力を積極的に伝え、足利市を訪れるお客様を「おもてなしの心」をもって温かく迎えることができるようになれば、それは足利のまち全体の向上につながります。

「足利ふるさと検定」が市民にとってまちづくりと観光の取り組みに賛同・参加するきっかけになり、「おもてなしのまち足利」を実現すること、これも足利商工会議所が目指すまちづくりの一つです。

講義の後は、足利商工会議所友愛会館内を案内していただきましたshineshine

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2009年6月 8日 (月)

Theあしかが学―新たなる発見をもとめてⅣ―講座レポート第1回

今年度も始まりました、Theあしかが学shineshine「足利っていいとこだがねcatface」こんな言葉が、市民の皆さまと本市に関係した方々全員の心に抱いていただけることを願って開講する講座ですclover

今回のあしかが学は全12回で、様々な講師をお迎えし、色々な視点から「あしかが」について語っていただきますsun初回の講師は足利工業大学学長・牛山泉(うしやまいずみ)先生ですpen以下、先生のお話と資料をもとに講座内容をまとめますflair

テーマ:学びを活かす必要性―学びを活かす生涯学習のススメ―

問題提起:なぜ生涯学習が必要で、生涯学習はどのような効果をもたらすか?

生涯学習はよく「ひとづくりとまちづくり」と定義されますが、現在求められている「まち」つまり地域社会のあり方は、先生によれば以下の二つです。

1.人と人との交流と支え合いによる共生型の地域社会

2.市民と行政が共に課題解決に取り組む協働型の地域社会

では、これらの社会を具体的に考えたらどのようなイメージになるのでしょうか。実は足利市にはそのひな型があります。それは今から28年前、昭和56年に市民参加によって定められた「足利市の教育目標」です。この取り組みは全国に先駆けた画期的なものでした。経済重視で物質的な豊かさを求めていた時代に、足利市は人間重視で心の豊かさを求める「足利市の教育目標」を打ち立てたわけです。しかも「足利市の教育目標」の具現化イコール生涯学習社会の実現と位置づけました。そして生涯学習によって、人々の生き方と価値観の転換を提案したのです。

牛山先生は、生き方や価値観の転換のきっかけになるような例をいくつか紹介されました。ここではその内の二つを紹介します。一つはマザー・テレサのことばです。マザー・テレサはキリスト教の信仰に基づいて生涯を神と人への奉仕に捧げた女性です。その功績がたたえられ、ノーベル平和賞を受賞した時、マザーは言いました。「世界にはまだ最悪の病が残っています。それは天然痘でもガンでもハンセン病でも結核でもなく、自分が生きていてもいなくても同じだと考える精神的孤独、精神的貧困と呼ばれる病気です」と。この病気はお金や薬で治るものではなく、人間のあたたかい心や手やまなざしで癒されます。そしてそのような人間のあたたかさやさしさが人間の尊さであり、真に価値あるものなのです。

もう一つの例はクラーク博士のことばです。札幌農学校を去る時に残した「少年よ、大志を抱け」は有名ですが、これには続きがあります。「金を求める大志ではない。利己心のみをのぞむ大志ではない。名声という浮ついたつかの間のものを求める大志ではない。人間としてあるべきすべてのものを求める大志を抱きたまえ。」「人間としてあるべきすべてのもの」とはやはり人間の尊厳や思いやりの心なのではないでしょうか。

さらに、「足利市の教育目標」(全部で70項目ある)には以上二つの例と呼応するものが散りばめられています。例えば、教育目標番号14・個人または団体の利害だけにとらわれず、全体との調和を図っていくことができる、教育目標番号19・相手の立場や気持ちを理解し、温かい心で人に接することができる、教育目標番号30・奉仕活動の大切さを理解し、積極的にその活動に参加する、教育目標番号31・奉仕を通して生きがいをもてる、などです。これらの目標は自身と他者と地域のための生き方を示しており、マザー・テレサやクラーク博士の理念に通じるものなのです。

最後にこれらのことをまとめて結論します。

生涯学習の効果:継続した学びによって生き方と価値観が変化する。

生涯学習の必要性:人間重視のやさしくてあたたかい地域社会を実現させるために必要である。

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2009年3月12日 (木)

高等教育機関等連携事業「学びの風」・アンチエイジング講座~いつまでも若々しくありたいあなたへ~ その3

3月10日(火)、3回目のアンチエイジング講座が開催されましたshineshine今回の講師は、株式会社シーボン.栃木工場取締役工場長の塚原澄子(つかはらすみこ)先生ですrouge以下に先生の話をまとめますhappy01

テーマ:若さは素肌から!「美しい素肌のために」

問題提起:いつまでも若く美しい素肌を保つためにはどうしたらいいか。

◆皮膚の老化とその原因◆

老化は精神的にも身体的にも進みますが、身体的な老化の一つに「皮膚の老化」が挙げられます。皮膚の老化の症状は、しわ、たるみ、シミ、乾燥などです。

これらの症状には4つの大きな原因があると言われています。その一つ目は紫外線によるダメージの「光老化」です。実は、紫外線にはUV-AとUV-Bの2種類があり、急激に作用して日焼け(サンバーン)やシミの原因となるのがUV-Bです。しかし、知らず知らずのうちに光老化を促進させている主因はUV-Aの方で、こちらは肌の真皮にまで到達し、肌のはりを保っているコラーゲンとエラスチンを壊す酵素を増やします。そしてUV-Aの働きによってはりのなくなった肌はたるみ、ひびができ、しわを発生させるのです。

皮膚の老化の二つ目の原因は「皮膚の乾燥」です。私たちの肌は、角質の潤いを保つ天然の保湿成分が年齢とともに減少していきます。そして乾燥した肌は、角質層の表面が乾いてはがれやすくなり、隙間が生じます。この隙間を通して表皮の水分が蒸発し、その結果水分を失った表皮はさらに薄く硬くなり、小じわになっていくのです。

皮膚の老化の三つ目の原因は「細胞の酸化」です。金属や食物、油などの物質は長い間空気にさらされると酸化してダメージを受けます。同様に、私たちの体内に取り込まれた空気(酸素)の一部が変化してできた「活性酸素」は、脂質と結合して細胞を酸化させます。そして、細胞の酸化は真皮のコラーゲンを硬くして皮膚の弾力を失わせてしまうのです。

皮膚の老化の四つ目の原因は「皮膚が薄くなること」です。年齢が進むにつれて私たちの肌から、弾力の素である真皮層のコラーゲンやエラスチンが減少します。そして肌細胞を作り出す力も衰え、表皮が薄くなります。すると肌がたるみ、若くふっくらとして柔らかさが肌から失われるのです。

◆美しい素肌を保つために◆

では、皮膚の老化を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。先生は主に二つの方法を紹介してくださいました。

一つは「モイスチャーバランス」を整えることです。私たちの素肌を構成しているものの中に、「NMF」、「脂質」、「水分」という3つの大切な要素があります。この3つがバランスよく存在することで、みずみずしい肌が保たれるのです。これを、モイスチャーバランスといいます。

NMF (Natural Moiscurizing Factor)」は、アミノ酸などからできている天然保湿因子で、角質層の水分を保持する機能をもちます。「脂質」は、文字通り油のことで、皮脂腺から分泌される皮脂と細胞間脂質から成り立っており、肌の表面を覆って水分が蒸発するのを防ぐ役割を果たしています。そして、モイスチャーバランスの基本となるのが、「水分」です。水分が十分にあってこそ、NMFも脂質もその役割を果たすことができるのです。そのためには、化粧水で十分肌に水分を染み込ませ、乳液で水分と油分のバランスを整え、保湿成分(例えばヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチン)の含まれる美容液を用いると効果的です。

もう一つの方法は「紫外線対策」です。特に、先に話題にあがったUV-Aを防ぐ必要があります。一般的に効果が高いとされている「日焼け止め」(SPFが高いもの・PA+++)は、薬の効果が強すぎるので肌を傷つけてしまうので、パウダーファンデーションで紫外線を乱反射させることが肌に優しい紫外線対策と言えます。日常生活の紫外線対策は、SPFの値は25くらい、PAは+が一つくらいの日焼け止めと、パウダーファンデーションで十分とのことでした。

結論:美しい素肌を保つためには、①基本のスキンケア、②紫外線対策、加えて適度な運動で心身ともに健康的な生活を送ることが大切。

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2009年3月 6日 (金)

高等教育機関等連携事業「学びの風」・アンチエイジング講座~いつまでも若々しくありたいあなたへ~ その2

3月2日(月)、第2回目の「学びの風・アンチエイジング講座」が開催されましたflair今回の講師は群馬大学社会情報学部教授・寺石ユリウス雅英(てらいし・ゆりうす・まさひで)先生ですeyeglass

以下に先生のお話をまとめますpen

テーマ:「若さは笑顔から!褒め上手でにこにこ人生」

問題提起:若さを保つにこにこ人生のための恋愛テクニックとは?

寺石先生曰く、「若さを維持するための方法は両想いの恋(相手から反応があるから)をし続けること」です。なぜなら、恋をするか否かで日常生活への張り合い、自分の外面や内面に対する気遣い、情報感覚や情報の摂取量などが決定的に変わってくるからです。そんな「両想いの恋」が成立する可能性を高めるために、人の心に飛び込み皆から信頼され好かれる方法を身につけたいものです。

そのために、良くも悪くも人がいかにコントロールされやすいか、コントロールされやすい人同士がどのように信頼関係を築いたらいいか、人が愛し愛されるために超えるべきものは何か、考えます。

1.人がコントロールされる原因

人はコントロールされやすい生き物です。程度の差はあれ、それはほぼ全ての人に当てはまります。では、なぜ人はたやすくコントロールされるのでしょうか。その原因は、極度の思い込み、こだわり、強い金銭欲、名誉欲、自尊心、忠誠心、罪悪感、恐怖感、権威や地位へのコンプレックス、自己能力への過信、同質化、群集化など、誰もがもつさまざまな欲や感情です。これらが強く作用して、人の心を左右すると知っていれば、その対処法も見えてくるのです。

2.信頼関係構築のために

少しの心遣いで相手との信頼関係は築けるものです。講義では12のテクニックが紹介されましたが、そのいくつかに焦点をあててみます。例えば「パーム・テクニック」、相手にさりげなく掌を提示することで相手を受け入れていることを示します。他にも息を吐くリズムに合わせてうなずく「ノッド・テクニック」、相手の仕草を真似る「ミラーリング・テクニック」も相手に好印象を与えます。

また、「あなたは社交的だけど、独りを好む面もある」というように矛盾する2つの側面を両方提示することで、はずすことなく相手を深く理解していると感じさせる「二面性テクニック」、「まさか~ではありませんよね?」と聞き、はいと答えられてもいいえと答えられても「やっぱり」と切り返せる「否定疑問文テクニック」なども効果的です。

これらをうまく駆使して、人の心が心地よくなるようコントロールすることで、お互いがお互いを理解できていると感じられ、よい信頼関係が築けるのです。

3.愛し愛されるために超えるべきもの

人間の心理にはいくつかのマイナス感情があります。それは、なぜ私ばかり…という損得勘定や不公平感、どうせ私なんか…という自己嫌悪、こんなにがんばっているのに…という評価欠乏症、悪いのは私じゃない!という自己正当化や他者悪人説、男は・女はどうしてわかってくれないの…という男女対称性です。

しかし、愛されるための心理学的法則を理解すれば、これらのマイナス感情もプラスにはたらきます。その法則の一つは「好意の返報性」です。人は相手に何かしてもらうとお返しをしなければ気がすまなくなってストレスがたまるという性質をもっています。だから相手にしてもらいたいことを自分から進んで相手にしてあげると、最終的にはそれが相手から返ってくるのです。二つめの法則は「自尊欲求」です。自分に対していろいろ尽くしてくれる人よりも、自分のすることを喜んでくれる人や、自分のことを認めてくれる人の方が、この欲求を満たして人から愛されるのです。三つめの法則は「問題対処の非対称性」です。ある問題に直面した時、男性は解決策を、女性は受容と共感を求める傾向にあり、異性に相談してもほしい答えが返ってこないことがよくあります。ただ、求めるものが違うとわかっていれば、それなりの対処ができるものです。

以上の法則を理解し、マイナス感情をうまくコントロールすると、愛情が豊かになります。損得勘定・不公平感に対しては、自分から与えてあげ、気遣ってあげることで、自己嫌悪に対しては、自分の魅力に気づき、欠点を個性に転化することで、評価欠乏症に対しては、相手を頼り、喜んであげることで、自己正当化・他者悪人説に対しては、まず自分から変わってみることで、男女対称性に対しては、違う思考回路を持っていることを理解することで、相手とよりよい関係が築けるのです。

結論:相手に心を開いて信頼関係を築き、マイナス感情を褒めることで昇華すれば「両想いの恋」が実現する可能性が高くなり、人生にこにこ、若さも保たれる。

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