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2009年6月 8日 (月)

Theあしかが学―新たなる発見をもとめてⅣ―講座レポート第1回

今年度も始まりました、Theあしかが学shineshine「足利っていいとこだがねcatface」こんな言葉が、市民の皆さまと本市に関係した方々全員の心に抱いていただけることを願って開講する講座ですclover

今回のあしかが学は全12回で、様々な講師をお迎えし、色々な視点から「あしかが」について語っていただきますsun初回の講師は足利工業大学学長・牛山泉(うしやまいずみ)先生ですpen以下、先生のお話と資料をもとに講座内容をまとめますflair

テーマ:学びを活かす必要性―学びを活かす生涯学習のススメ―

問題提起:なぜ生涯学習が必要で、生涯学習はどのような効果をもたらすか?

生涯学習はよく「ひとづくりとまちづくり」と定義されますが、現在求められている「まち」つまり地域社会のあり方は、先生によれば以下の二つです。

1.人と人との交流と支え合いによる共生型の地域社会

2.市民と行政が共に課題解決に取り組む協働型の地域社会

では、これらの社会を具体的に考えたらどのようなイメージになるのでしょうか。実は足利市にはそのひな型があります。それは今から28年前、昭和56年に市民参加によって定められた「足利市の教育目標」です。この取り組みは全国に先駆けた画期的なものでした。経済重視で物質的な豊かさを求めていた時代に、足利市は人間重視で心の豊かさを求める「足利市の教育目標」を打ち立てたわけです。しかも「足利市の教育目標」の具現化イコール生涯学習社会の実現と位置づけました。そして生涯学習によって、人々の生き方と価値観の転換を提案したのです。

牛山先生は、生き方や価値観の転換のきっかけになるような例をいくつか紹介されました。ここではその内の二つを紹介します。一つはマザー・テレサのことばです。マザー・テレサはキリスト教の信仰に基づいて生涯を神と人への奉仕に捧げた女性です。その功績がたたえられ、ノーベル平和賞を受賞した時、マザーは言いました。「世界にはまだ最悪の病が残っています。それは天然痘でもガンでもハンセン病でも結核でもなく、自分が生きていてもいなくても同じだと考える精神的孤独、精神的貧困と呼ばれる病気です」と。この病気はお金や薬で治るものではなく、人間のあたたかい心や手やまなざしで癒されます。そしてそのような人間のあたたかさやさしさが人間の尊さであり、真に価値あるものなのです。

もう一つの例はクラーク博士のことばです。札幌農学校を去る時に残した「少年よ、大志を抱け」は有名ですが、これには続きがあります。「金を求める大志ではない。利己心のみをのぞむ大志ではない。名声という浮ついたつかの間のものを求める大志ではない。人間としてあるべきすべてのものを求める大志を抱きたまえ。」「人間としてあるべきすべてのもの」とはやはり人間の尊厳や思いやりの心なのではないでしょうか。

さらに、「足利市の教育目標」(全部で70項目ある)には以上二つの例と呼応するものが散りばめられています。例えば、教育目標番号14・個人または団体の利害だけにとらわれず、全体との調和を図っていくことができる、教育目標番号19・相手の立場や気持ちを理解し、温かい心で人に接することができる、教育目標番号30・奉仕活動の大切さを理解し、積極的にその活動に参加する、教育目標番号31・奉仕を通して生きがいをもてる、などです。これらの目標は自身と他者と地域のための生き方を示しており、マザー・テレサやクラーク博士の理念に通じるものなのです。

最後にこれらのことをまとめて結論します。

生涯学習の効果:継続した学びによって生き方と価値観が変化する。

生涯学習の必要性:人間重視のやさしくてあたたかい地域社会を実現させるために必要である。

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