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2009年9月 4日 (金)

Theあしかが学Ⅳ―新たなる発見をもとめて―講座レポート第7回

8月20日(木)、Theあしかが学第7回目の講座が開催されましたclover今回は「足利のかつやく人」である富田カルチャーネットの古橋昌幸(ふるはしまさゆき)先生と山本武雄(やまもとたけお)先生を講師にお迎えしましたshineshine

テーマ:地域素材を活かしたまちづくり

「富田カルチャーネット」は富田地区の文化に関係する団体の共同体です。ミュージアムコンサート実行委員会・とみたのかるた実行委員会・ミュージカル富田実行委員会・各協力員の方々がゆるやかなネットワークを組んで活動しています。

山本先生は、この活動のきっかけを次のように話されました。山本先生が育成会やPTAの役員になったとき、地域の様々な問題に気がついたそうです。例えば、富田の住民が富田についてあまり知らなかったり、お年寄りと子ども達に接点がなくお互いを知らなかったり、家庭で落ち着いて団欒を楽しむ時間がなかったりするわけです。そのような状況にあって先生は、昔の地域のつながりに近づける工夫、文化財や伝統などを伝える工夫、家族のコミュニケーションの工夫を考えたのです。

そこで出てきたアイディアが「とみたのかるた」です。おとなり群馬県の「上毛かるた」を参考に、文化の継承・親子や地域や三世代の交流・遊びながら誰でもできる富田地区限定のオリジナルかるたの制作を目指しました。富田地区にある22の文化財をかるたに盛り込み、7町内に均等に絵札の内容を割り当て44枚の絵札を作り、各町内にある文化財の絵札はその町内の子どもが描き、外箱のデザインは当時の富田小学校図工科主任の先生に依頼しました。そうして地域と家庭と学校の協力によって手作りかるたが出来上がったのです。また実行委員会は、かるたを作ってそれで終わりではなく、活動を継続させるために、かるた競技大会を行ったり、「かるたに取り上げられた場所巡り」なども企画しているのだそうです。

続いて古橋先生がミュージアムコンサートについて説明されました。これは夜の栗田美術館(陶磁会館2階)で行われるコンサートです。子ども達に音楽との出合いの場を提供したい、地元の人達にもっと文化を知ってほしい、親子で共通の時間を持ってほしい、足利三名所の一つ「栗田美術館」をもっと利用したい、出演者が未完成でも発表できる場所がほしい、といった数々の願いから企画されました。そして当初は年4回、現在では年2回のペースで、入場無料のコンサートが開催されています。コンサートに来るお客さんは、コンサートを通して家族の会話が増え、より地域に目を向けるようになったそうです。

このように富田カルチャーネットは、富田地区の地域素材を活かしたまちづくりに大きく貢献しています。かるたを活用して地域の特色を知り、あせらずゆるかなネットワークを保つ組織を作り、新たな企画による活動の継続を図る、そのようにして一歩ずつ着実にまちづくりを進めているのです。

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