Theあしかが学―新たなる発見をもとめてⅢ―レポート第2回
5月28日(水)、Theあしかが学第2回目の講座が開かれました今回はあしかがフラワーパークでの開催ですフラワーパークは今、薔薇とペチュニアが見ごろを迎え、ライトアップによって花たちが闇に浮かび上がる様はなんとも華麗でしたそんな極上の風景を横目に映しながら、フラワーパーク園長・塚本こなみ先生の力強いお話を拝聴いたしました。そして先生のお話の魅力を最大限に引き出すサポートをされたのが宇都宮大学・生涯学習教育研究センター教授の廣瀬隆人先生です
塚本先生は主に木についてお話ししてくださいましたでも「木」を「まち」に置き換えて聞くとそれがそのまままちづくりのお話になります先生の木のお話から私たちはまちづくりの方法論を学びたいと思います
テーマ:大藤とまちづくり
問題提起:それぞれが暮らしやすい足利のまちをどのようにつくっていくか。
あしかがフラワーパークは足利のまちを活性化させた一つの成功例です。塚本先生は誰もが不可能と思っていた大藤の移植を見事成功させ、その後も園長としてフラワーパークを盛り立てていらっしゃいます。それは「塚本先生だから」できたことでしょうか。「私たちには無理」なことでしょうか。いいえ、そうではありません。私たち一人一人の中に塚本先生を見つけてみましょう。
塚本先生曰く、何かを実現させるときに大切なのは具体的なビジョンを自分の中に描くことだそうです。園内のどこにどんな植物を植えるか、配色はどうするかと考えるように、足利のまちの未来を具体的に映像化し、形をつくっていくことが必要です。
そのやり方は、まず現状を把握する、次に方策を探るという流れになります。
第一段階の現状把握とは、現実をあるがままに見つめることです。先生はフラワーパークをつくるとき以下のように進めたそうです。
①木の個性を知識として徹底的に知る。(針葉樹・広葉樹・落葉樹・常緑樹 etc.)
②周りの環境も知る。(人里・山・都会 etc.)
③この木が私だったらどうしてほしいか。ここでは現状における良いことばかり、悪いことばかりを挙げ連ねるのではなく、冷静に現実を見つめます。この第一段階は次に動くための基礎固めとなります。
続く第二段階の方策を探るとは、現状把握を踏まえた上で何ができるのか可能性を並べて実際に動くことです。先生はいつも、
①一般論を考える。
②木の気持ちになって木がどうしてほしいか考える。
そうです。そして方策を探り実践するときには手と心の両方をかけることが大切です。
第一段階、第二段階ともに先生は「木の気持ちになって考える」ことをなさっています。ということは、まちづくりにおいても「相手の気持ちになる」ことが重要なのです。
最後に先生は何かを成し遂げる秘訣について話されました。まず、これからの足利を担う若者に対してのお言葉は「やってみなくちゃわからない」。最初からできないと言って何もしなければ、本当に何も変わりません。先生は「先に結論言うなよ」とおっしゃいました。次に、若者を支える先輩方は「お前やってみろよ」と若者の背中を押してあげてください、とのことでした。さらに締めとして先生の数々の名言から二つをご紹介します。
「できるできる、何でもできる!できないのは自分がやらないだけ。」
「望めば叶う!」
結論:冷静な現状認識とあたたかい心での実践、それを具体的に進めることで実現する暮しやすい足利のまち。
素敵な講演の後には先生方を囲んでの食事会が開かれました先生と気軽にお話しできる貴重な時間でした