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2009年2月

2009年2月27日 (金)

本の読み聞かせ講座 3

2月23日(月)3回目の「本の読み聞かせ講座」が実施されましたnote講師は引き続き秋葉先生で、内容はこれまでの理論を踏まえての実践でしたpunch

今回は、受講生の方々が子どもたちにぜひ読んであげたいと思う一冊を手元に用意し、その本についての感想、意見交換が行われましたhappy01自分が好きだと思った本と同じものをほかの人も好きだと感じていたら何だかうれしい、自分とは違った意見を聞くのも参考になる、などの意見が出され、また、実際に二人の方が絵本を読み、その具体例を参考にして先生が講評したりもしましたeye

先生曰く、読み聞かせで大切なことはやはり「見えるように・聞こえるように」という配慮ですclover読み聞かせの源は「このすばらしい本を聞く相手も同じように感じてほしい」と願う気持ちですtulipそのためには相手に伝わるように読むこと、間をとったり、聞きやすい声で話したりできるように練習することも必要なのですcute

というわけで、次回(最終回)への宿題は「自分がぜひ読んであげたいと思う良い本を、聞かせる相手とも同じ気持ちを分かち合えるように読む、その練習をしてくる」ですhappy02この努力が自身と、そして子どもたちの糧となりますように…confident

2009年2月13日 (金)

本の読み聞かせ講座 2

2月9日(月)、第2回目の本の読み聞かせ講座が開催されましたbook今回の講師も秋葉恵子(あきばけいこ)先生ですhappy01以下に先生のお話の内容をまとめてみましたpen

読み聞かせの意義とスキル

◆聞くことで育つ「内言語」

子どもの能力低下が懸念される現在、読み聞かせによって養われる大切な力があります。それが「内言語」です。「内言語」とは辞書によれば「声や文字となって外に現れない言語(大辞泉)」、先生流に言えば「想像力・好奇心・言葉を自分の中で静かにめぐらせること」で、これがないと本を楽しむことができません。読み聞かせは、子どもの内言語を養うための場なのです。

◆内言語を養うためにどう読むか

多くの人は「上手に読む」ことに心をつかいますが、実はそれはあまり重要なことではないそうです。物語自体が魅力的であれば、読み方の上手下手にかかわらず、子どもは興味を持つものです。読み聞かせは「私の読み方を披露する場」ではなく「物語を届ける場」、だから読み方は自然に、会話よりも説明文をしっかり読んで、自分の声を聞きながら、日本語の豊かさを意識しつつ、何より自分自身も物語を楽しんで読むことが大切なのです。

◆内言語を養うために何を読むか

これは正しい答えがないから難しいのですが、読み手の琴線に触れる本ばかりを選んでいるのも考えものです。というのも「子どもにとっていい本」と「私の愛読書」は必ずしもイコールではありません。大切なのは子どもがその物語に「共感できるか」です。頭で理解できても心で共感できなければ、それは「面白い」と認識されません。子どもが何に共感するのか、子どもを知った上で本を選ぶことが私たちに求められるのです。

次の講座は2月23日(月)、いよいよ読み聞かせの実践編です。

2009年2月 2日 (月)

本の読み聞かせ講座

  1月26日(月)、生涯学習センター203号室において「ボランティア講師養成事業 本の読み聞かせ講座」の第1回目が実施されましたhappy01

 この講座は、現在学校で読み聞かせのボランティアをしている方や、これから始めてみたいと思う方を対象に、本の選び方や読み方について学ぶことを目的としていますbud講師に秋葉恵子先生をお招きし、読み聞かせの概要と実践を指導していただく予定でflair

 初回は「子どもにとって物語や絵本はなぜ必要か」がテーマでしたnote少し先生のお話をまとめてみたいと思いますclover

 

 子どもにとって物語や絵本はなぜ必要か、結論から言えばそれは生きる力を養うからです。

 ある程度厳しい現実を知った大人は、絵本はハッピーエンドばかりだけど、そんな話ばかり聞かせていていいのか、現実を知ったら子どもはショックをうけるのではないか、弱い子に育ってしまうのではないかと懸念します。しかし秋葉先生は「そんなことはない」とおっしゃいました。なぜなら、子どもは生まれた時からマイナスの厳しい現実を感じているからです。だからわざわざ絵本を使ってひどい現実を伝える必要はないのです。それよりも、たとえ困難な状況にあっても助けてくれる人がいる、どんなにひどいことが起きてもちゃんと幸せを勝ち取れる、ということを伝えるほうがはるかに大切です。

 多くの物語は、主人公に困難が起きて、それを主人公が乗り越えていくストーリーになっています。子どもは主人公になりきって物語を聞くため、主人公と一緒に困難に立ち向かい乗り越えて、最後には深い満足感を味わうのです。

 さらに、同じような構造の物語をたくさん聞くことで子どもは、困難はあるもの、でもそれは乗り越えられる、乗り越え方はいくつもある、ということを無意識にとらえていきます。この認識が生きる上での大きな力となるのです。

 もちろん子どもはここまで深く考えて物語を聞くわけではありません。子どもの反応は「おもしろかったぁ」だけかもしれません。しかしこの「おもしろかったぁ」が大切なのです。より多くの「おもしろかったぁ」に出会えるよう、読み聞かせを実践していきましょう。

 以上が秋葉先生のお話のまとめです。

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