« 本の読み聞かせ講座 3 | メイン | 高等教育機関等連携事業「学びの風」・アンチエイジング講座~いつまでも若々しくありたいあなたへ~ その2 »

2009年3月 4日 (水)

高等教育機関等連携事業「学びの風」・アンチエイジング講座~いつまでも若々しくありたいあなたへ~ その1

2月20日(金)、今年度の高等教育機関等連携事業「学びの風講座」が始まりましたshinehappy01今回のテーマは「アンチエイジング(老化防止)」、公開講座を含む全4回構成で、これがご好評をいただいて90人の方に受講のお申し込みをいただきましたhappy02notes

初回は講師に農学博士、国際学院埼玉短期大学客員教授、おさかなマイスター協会講師の鈴木たね子先生をお迎えしましたfishwavefish以下に講義の内容をまとめてみますfuji

テーマ:「アンチエイジングは魚食から!」

問題提起:アンチエイジングに効果的な魚食のあり方とは?

◆老化(エイジング)と魚食の関係◆

老化(エイジング)とは、年をとるに従って、肉体的、精神的機能が衰えることです。この老化は様々な病気の原因となり、それらを加速させます。脳卒中、動脈硬化、心筋梗塞、歯槽膿漏、腎不全、骨粗鬆症、糖尿病、アルツハイマー病などは老化が一つの原因となる病気の代表です。

しかし、これらの病気と魚食の間には因果関係があります。例えば魚食頻度が高いほど脳卒中やアルツハイマー病の発症リスクが低くなる、寿命が長くなるというデータが疫学調査によって示されています。つまり魚食が老化を防ぐのです。

◆魚油の力◆

アンチエイジングに効果をもたらすのは魚油です。実は、肉と魚肉はたんぱく質や炭水化物、脂質の含有量がほぼ同じです。ただし脂肪含有量が同じでも、肉と魚肉ではその機能が大きく違うのです。

また、一時日本に植物油万能説が流れたことがあります。しかし万能と考えられた植物油に含まれるリノール酸は、コレステロールを下げはしますが、過剰な摂取によるアレルギー患者や炎症性疾患の大腸癌患者の増加との関連も指摘されています。

では魚油の何がアンチエイジングに機能するのでしょうか。それは魚油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です。EPAは血液の凝集を阻害するホルモンの原料であり、心筋梗塞や脳梗塞を予防します。ほかにも血液中のコレステロール低下作用があり、動脈硬化の予防にもなります。一方DHAには脳の活性化機能があります。DHAの摂取によって、学習能力や判断力の向上、認知症やアルツハイマー病の病状改善、情緒の安定などが見込まれます。またDHAにも血中コレステロールを減少させる機能があります。

ちなみに、EPAとDHAは魚油以外の脂質には含まれていないので、このことからも魚食がいかに大切かがわかるのです。

◆魚介類の力◆

魚油に含まれるEPAやDHAの他にも、魚介類には老化を防止する成分がたくさん含まれています。例えば、カルシウムを機能させるのに必要なビタミンD、血圧を正常化させたり血中コレステロールを減少させたり視力を回復させたりするタウリン、活性酸素を消去して生体内の過酸化物の生成を抑制するアスタキサンチン(さけやいくらの色素)などです。

以上のように、魚介類には老化を防ぐ成分が豊富に含まれているので、それを食事によって摂取する「魚食」がアンチエイジングに効果的な一つの方法であるといえるのです。

結論:「魚を食べて歩こう!」

やはり、ただ魚を食べているだけではなく、軽く体を動かすことが大事です。おいしくて体にもいい魚介をいただき、ウォーキングなどの軽い運動をする、「魚食と運動で老い知らず」。以上が鈴木先生のお話でした

2