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2010年11月15日 (月)

平成22年度Theあしかが学(後期)講座レポート第1回

116日(土)、晴れわたる秋空の下、生涯学習センターおすすめ講座がスタートしましたflairその名も「上智大学サテライト講座・Theあしかが学(後期)にんげん学入門―こころの学びのススメⅡ―」ですshineこの講座では、冠にもありますが、足利にいながら上智大学の一流教授の講義が受けられるのですhappy01そしてテーマは「こころ」heart04「こころ」の疲弊が慢性化している現代社会において、私たちは疲れた「こころ」と向き合いながらこの与えられた生命をどう楽しみ生きていくのか?5回にわたって考えていきますclover

1回目は、上智大学人間科学部教授・久田満(ひさたみつる)先生がお越しになり、「エンパワーメントの心理学」という講義をしてくださいましたeyeglass受講生は42人でしたpencil以下その内容をまとめますcherry

1.エンパワーメントとは―言葉の意味

エンパワーメントを先生流にとてもやさしく表現すると「元気になること」となります。この言葉を初めに遣ったのは、アメリカ公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師で、その後学者によって「個人や組織、地域社会が自分たちの人生に対する統制感(sense of control)を自ら獲得しつつ、他者に与えていくプロセス」と定義されました。人生に対する統制感とは、「自分はこういう風に生きていきたい・こういう風になりたい」という希望で、自分自身がそういう感覚を身につけると同時に他者にも同じような感覚を与えみんなで元気になっていく、その一連の流れがエンパワーメントなのです。

2.エンパワーメントの必要性

人間は全員が全員「自分は自分の人生を生きているなぁ。色々問題はあるけれど、でもいい人生を送っているなぁ。」と感じられるわけではありません。自分を取り巻く環境によって、無力感・無能感・疎外感を抱く人がいます。無感動になる人がいます。スティグマ化(レッテルを貼って決めつける)が行われます。すると自分で自分を認めることができなくなり、自分の人生に対する統制感が欠如してしまうのです。例えば、身体や心に障がいを持つ方、エイズに感染した方、ホームレスの方、大学生などの一部には、エンパワーメントが必要です。しかもエンパワーメントは個人が対象ではありません。個人が所属するコミュニティ全体がエンパワーメントによって変化することが大切なのです。

3.エンパワーメント活動の具体例

先生は学問を実践に活かしてエンパワーメント活動をされています。1992年にアメリカの「がん医療」の現状視察をされてから、重い病気や障がいを持った子どものきょうだい児にもエンパワーメントが必要だと考え、「一人でも多くのきょうだい児をエンパワー(元気に)しよう!」を活動目標とした「サークル連(れん)」を大学の学生たちと立ち上げたそうです。ちなみに「きょうだい児」は、「そう簡単には治らない病気を持った子どもの兄弟姉妹」の意味で先生が遣う言葉です。きょうだい児たちの多くはその生活環境から、がまん強く、世話好きで、やさしい、しっかりした子に育つようですが、でも本当に思い通りに人生を歩んでいるのでしょうか。

サークル連のきょうだい児支援メインイベントは、毎年8月初旬に23日で行われるサマーキャンプです。参加者は、きょうだい児、その友だち、学生、OBOG、顧問で、参加者はみんな日常から離脱し解放され夢のような時を過ごします。そしてきょうだい児たちは様々な出会いを体験します。空、雲、水、風、草、森、鳥、火、月、星、虫、魚、同じ境遇の新しい友だち、先生を筆頭に“変な”大人たち、それらすべてに出会い、触れ合うことできょうだい児たちはエンパワーされ、最高の笑顔になるのだそうです。また、学生やお手伝いのOBOGたちも、ありのままの子どもを理解することができるようになったり、達成感や充実感を味わったり、何よりも子どもたちの最高の笑顔で自分たちにも笑顔が連鎖します。このようにサークル連のサマーキャンプでは子どもも学生も大人も思いっきり騒ぎ、はしゃぎ、歌い、踊り、そして笑い、みんな元気になるのです。

最後にサークル連の学生さんが編集した活動記録のDVDを見せていただきましたmovie本当にみなさんいい顔をしていて、見ている私たちもエンパワーされましたhappy01このいただいた元気を私たちもまた発信していけたらいいですねsun

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