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2008年10月17日 (金)

Theあしかが学―新たなる発見を求めてⅢ―レポート第10回―

 94日(木)、Theあしかが学第10回目の講座が開かれましたhappy01今回は足利工業大学教授・和田昇三(わだしょうぞう)先生をお迎えしましたshineeyeshine

テーマ:足利の歴史と文化を活かしたまちづくり

問題提起:歴史と文化を活かしたまちづくりの提案と展望は?

●足利学校・鑁阿寺の世界遺産登録にむけて

 和田先生は、いかに足利学校や鑁阿寺が世界遺産にふさわしいか話をされました。足利学校や鑁阿寺のアピールポイントは、次の三つです。①日本最古の総合大学であること。②ヨーロッパに広く知れ渡っていたこと。また、③薪能など、今日の日本文化の原型は室町時代に確立したこと。そして鑁阿寺に代表される足利の諸寺院は、室町文化に少なからず影響を与えたと推察されること。このように、日本の教育や文化の源泉である足利学校や鑁阿寺は、日本を代表する世界遺産に値するのではないでしょうか。

●鑁阿寺西地区を対象とした取り組み

 和田先生は、「鑁阿寺西地区を対象とした取り組み」についても提案されました。足利市では平成16年度から30年度にかけて大日(鑁阿寺)西土地区画整備事業を実施しています。事業の主な内容は、渋滞緩和を目的として道路の拡幅をするというものです。しかし、昔からその地域に住んでいる方々には、慣れ親しんだ路地裏を残したいという思いがあります。そこで先生は、その思いを汲んで区画整理以外のまちなか活性化の方法を紹介されました。それは空地を活かして「まちなか博物館」をつくることです。そば、花火、お祭り、八木節など、足利を代表する事柄の博物館を街中につくれば、もっと観光のお客様を呼ぶことができるのではないでしょうか。

●足利市旧市街地活性化試案

 ―織姫神社と鑁阿寺西地区を活かした街づくり―

 この話は上の「鑁阿寺西地区を対象とした取り組み」の延長にあります。この案のコンセプトは、空き店舗など既存の施設を利用して、極力経費をかけないということです。空き店舗を博物館にし、織姫山に相田みつを美術館をつくり、旧東映映画館を足利歴史村にする。そして現在の観光スポットとリニューアルした施設を巡る散策ルートをつくります。例えば、「相田みつを探訪」「文化を訪ねて」「足利源氏探訪」などです。これらを想像してみると、一市民としても興味を惹かれるのではないでしょうか。

●歩いて暮らせる街づくり

 最後に和田先生は、「歩いて暮らせる街」について話をされました。これは平成18年に閣議決定されたことで、足利も通2丁目交差点を中心とする3地域で取り組んでいます。この取り組みを進める上で大切なのは、そこに住んでいる方の需要を優先することです。歩いて暮らせる街として、足利がより住みやすい場所になれば、市民の心にも活気が満ちるのではないでしょうか。

結論:これらの提案が実現され、まちが活性化すれば、市民にとっても観光客にとっても「足利」がより魅力的なまちになる。