筑波村に生まれた一〇〇年前の女の子
「一〇〇年前の女の子」という本をご存じですか?
100年前の筑波地区高松村を舞台に、少女テイさんの視点をとおして、四季おりおりの年中行事や村人たちの生活をいきいきと描いている作品です。
この本は、一人の少女の成長物語であるとともに、貴重な民俗資料であると高く評価され、地元足利市にとどまらず、全国で話題の本となっています。
6月25日(土)、そんな話題の本の著者、船曳由美さんを筑波公民館にお招きし、講演会を行いました。
かつて、編集者として各地の民俗、祭礼、伝統行事を調査するために、全国各地の農村を取材した船曳さん。
この本で一番、伝えたかったことは、母であるテイさんへの思いはもちろんのことですが、かつては日本のどこの村にも存在していた、
神仏・自然を敬い畏れながら、結を組んで村人同士が助け合って暮らしていた農村の風景。
また、母であるテイさんを育ててくれた、村の暮らしや人々の営みが、日本から崩壊しつつあるのを嘆いていらっしゃいました。
その一方で、船曳さんの目から見ても、筑波地区高松村は、全国に誇れる美しい村の姿を残しており、特に家々の屋敷木はすばらしいと絶賛!!
テイさんが生涯片時も忘れることができなかった故郷、筑波地区での講演会。
参加者の中には、故郷を思う心と、地域社会のつながりの大切さを感じた方も多かったと思います。