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2009年12月21日 (月)

Theあしかが学(後期)―講座レポート第1回

 11月21日(土)、午後2時から生涯学習センター101号室において「Theあしかが学・後期」が始まりましたhappy01{Theあしかがが学・後期」は上智大学サテライト講座として、現在上智大学で教鞭をとっていらっしゃる4人の先生方と、上智大学のOBである「夜回り先生」こと水谷修さんをお招きしますsign03講座のタイトルは「にんげん学入門―こころの学びのすすめ」ですheart04

 第1回目の講座には、上智大学神学部の武田なほみ先生がいらして、「物語にみる人間とこころ」というテーマでお話してくださいましたeyeear以下に先生のお話をまとめてみますpencil

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私たちは「物語」が好きです。映画、ドラマ、小説、漫画、アニメなど娯楽として親しまれているものの多くは「物語」ですし、大学の文学部では学術的に物語が研究されています。なぜ私たちは物語に惹かれるのでしょうか。そして物語とは私たちにとってどのようなものなのでしょうか。

人間の思考には2つのパターンがあります。ひとつは論理・実証のパターンで、こちらは客観的で普遍的な思考です。もうひとつは物語のパターンです。こちらは出来事や経験に意味づけをし、人間の意図や感情を伝達します。物語の場合、私たちは語り手または聴き手としてストーリーに参加することができます。

物語には一定のパターンがあります。それは「はじまり」→「展開部」→「終局部」という流れです。物語の主人公は「展開部」においてよくピンチを経験します。ただしピンチで終わるのではなく、助け手との出会いがあったり、協力して困難を乗り越えたり、それによって成長したりもします。そして「終局部」で主人公は新しい自分に気づきます。それは、他者とのかかわりの中で生きている自分、他者に受け入れられている自分、他者を愛し受け入れる自分です。これが主人公の人生にとって大きな一歩となるのです。

そして、物語に接する私たちは甘く切ないストーリーややさしくてあたたかいストーリー、楽しくてわくわくするストーリーを追体験できたり、自分の経験と照らし合わせていくことができます。つまり、物語は人間の生の歩みそのものが語られ、それに共感できることが物語の楽しみなのです。