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2009年12月24日 (木)

第3回 Theあしかが学レポート「民族紛争からみた人間」

今回は、上智大学神学部神学科准教授のサリ・アガスティン先生の講義でした。先生は、インドにおけるコミュナル(民族主義)と題し、民族暴動の事例をもとに、少数派の安全保障について、説明されました。暴動が起きたところは、皮肉にも非暴力を唱えたガンジーの生誕地でした。どうして暴動がおきるのか?非暴力を研究する前に暴力を研究しようと、暴動がおきたすぐに現地にむかったそうです。その悲惨な状況は筆舌に尽くしがたいものでした。暴動の多くは、宗教や民族等の対立により、その少数派が恐怖と脅威にさらされているのが現状です。一方で、住民間の連携がうまく働いている社会では、根拠のない噂などにより、暴動が起こる確率は少ないとしています。先生は、受講生に人間とは本来暴力的存在であるか、平和的な存在なのか、質問を投げかける中で、宗教や言語を超えた、また、少数派や多数派を超えた、人間の安全保障の重要性を訴えていました。

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