Theあしかが学―新たなる発見を求めてⅢ―レポート第9回
8月6日(水)、Theあしかが学第9回目の講座が開かれました今回は講師に足利工業大学副学長の蟹江好弘(かにえよしひろ)先生をお迎えしました
この第9回目の講座はこれまでの講座と少し異なり、受講生が小グループになって、あるテーマについて話し合いをし、足利の課題を発見するという、受講生の主体性に重点が置かれていましたそのため蟹江先生は、前半に話し合いの参考となるようなお話を、後半は各グループの話し合いのサポートをしてくださいました
というわけで、本レポートもこれまでのようなスタイルで書くことが難しいのですが、何とか進めてみようと思います
テーマ:ディスカバリーあしかが-ワークショップで課題発見
問題提起:課題発見のはじまり~足利の現状認識
何か課題を発見し、それに取り組むためには、いくつかの方法があります。どんな方法をとるにしても、まず始めにすべきことは現状認識です。現状を正しく知らずに動いても、的外れな方向へ流れていってしまうもの。足利の未来を良い方向に導くためには、足利の良さも悪さも冷静な目で分析し、認識する必要があるのです。 では蟹江先生のお話から、足利の現状をまとめてみます。
●現状1歴史に彩られた足利市・豊富な景勝地
足利には、日本史のあらゆる時代の文化財が残っています。古くは古墳時代の藤本古墳まで遡り、奈良時代の鶏足寺、平安時代の足利学校、鎌倉時代の鑁阿寺、室町時代の樺崎八幡宮、江戸時代の足利陣屋と続きます。それらの多くは「足利百景」に収録された歴史の遺構です。また、足利は自然に恵まれた場所で、山岳、丘陵、河川、草花などの美しい景色も見事です。
●現状2現代の観光資源・イベント
足利には、外部にアピールできる観光資源やイベントがたくさんあります。足利三名所はもちろん、草雲美術館、ココファームワイナリーなど、知名度が全国区のものも少なくありません。ほかにも、足利市立美術館、足利花火、そば祭り、ペタンコ祭などがあり、折に触れて市内はにぎわいます。
●現状3足利の抱える諸問題
一方、足利が抱えている問題もたくさんあります。例えば、基幹産業の衰退、後継産業の育成の難しさ、人口減少と少子高齢化、中心市街地の衰退、都市内農業の今後のあり方の模索、林地の保全などです。それぞれの問題について、具体的状況が頭に浮かびます。耳が痛い内容ですが、これも確かな現実として把握しておかなければなりません。
以上が足利の現状認識の概要です。蟹江先生は現状認識のお話の後で、あるワークショップ(研究・作業)を提案されました。ワークショップのキーワードは三つ、「足利市を活性化するために」「少子高齢化問題にどう向かうか」「足利市の良さは何か」です。受講生の方々はそれぞれ興味のあるテーマに分かれてグループを作り、話し合いながら作業をしました。作業は3色のポストイット(大きいサイズの付箋紙)を用いて、青には問題点、黄には建設的意見、ピンクには総括を書き、それを模造紙に整理しながら貼り付けていきます。このように様々な意見を整理することによって、足利の課題を発見し、解決の可能性を探ることがねらいなのです。
なお、このワークショップは9月10日のプレゼンテーション(研究発表)を目指して継続されます。