自分で考えて行動できる人になろう講座
8月9日(金)に御厨公民館で、8月19日(月)に毛野公民館で、8月27日(火)に三重公民館で、「自分で考えて行動できる人になろう講座」を実施しました
この長~い名称の講座は、とある冬の日に中高生のグループで行ったお泊まり会での出来事がきっかけとなり、思いつきましたそのお泊まり会では、夕食を自分たちで作って食べようということになり、いざ何を作るか考え始めたところ、中高生から出てきた言葉は次のようなものでした
「べつにぃ・・・」「(食べたい物は)特になぁい・・・」「あ~それ最近食べたからやだぁ・・・」
なんということでしょう「料理の作り方がわからない」ならまだしも、それ以前に、自分の食べたい物すらわからない・決められないということは、この子たちは、普段自分では何も考えず、ただ与えられる物だけを受け入れて生きているのか、と疑いたくなってしまいますこの日は結局、お好み焼きを作って食べることになったのですが、買い物も調理も人任せな子が多く、なんだか散々な夕食になってしまいました
これではいけないここは、社会教育の出番ですそこで企画したのが「自分で考えて行動できる人になろう講座」なのです講座の開催趣旨はずばり、「『自ら考え主体的に行動する力』は、人間が生活していく上で重要な能力の一つである。しかし、それが苦手な子ども、さらには、主体的に行動していないという事実に気づいていない子どもも多い。そこで、『食事』を一つの足掛かりとして、メニュー決めから片付けまでを自分たちで全て考えてこなす過程を通して、『自ら考え主体的に行動する力』を育む。」です
講座の対象は小学校4~6年生、定員は15名としたところ、各回受講生の数にばらつきがありましたが、3回とも無事に修了することができました講座の初めに、この講座の目指すところをきちんと説明してから作業を開始すると、受講生の子どもたちは、真剣に、そしてなかなか楽しそうにグループで話し合いを進めていましたメニューが決まったら、一人につき500円を集金し、予算内におさまるよう買い物リストを作り、近くのスーパーへ買い出しに行きますスーパーでは、品物の値段をきちんと確かめ、足し算を繰り返して、いざレジへ買い物では、予算を上手に使い切るグループと、かなりお金を余らせてしまうグループがありました買い出しの後は調理です料理本を見ながら作ったパスタソースをひっくり返す、勢い良く水を出しすぎて床を水浸しにする、やけどする、包丁で指を切るなど、色々なハプニングがありましたそれでもどうにか調理を終えたら、次は試食です試食でも、デザートを先に食べすぎて主食が食べられなくなる、手作りドレッシングの味見をしすぎて油あたりする、作りすぎて食べ切れないなど、色々ありましたそして、かなりの時間をかけて、自分のお皿に盛った物は食べ切って、やっと片付けです片付けは、見ていてかなり「てきとう」でした要領が悪いなぁ、水がもったいないなぁ、ちゃんと泡が落ちてないなぁ、お皿拭かずに戻すのか、ふきんと台ふきんが入り乱れているなぁ、食器や調理器具を元の場所に元あったようにきちんと戻してないなぁ、三角コーナーや排水口にカスが残っているなぁ、と色々目につき、手を出したくなるのを、職員は必死にこらえました結局、職員が近くにいてフォローした場面も多々ありましたが、メニュー決めも買い物も調理も試食も片付けも、おおむね自分で考えて主体的にできたと思います
「自ら考えて主体的に行動する力」は、たった1回の経験でつくはずはありません食事以外のあらゆる場面でも鍛える必要がありますそのため、家庭教育にはない組織的な広がりと、学校教育にはない適度なゆるさや遊びがある社会教育において、今後も「自ら考え主体的に行動する力」を楽しく育む講座を実施し続けたいと思いました